プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーを兼任することでの弊害
プロダクトマネジメントについてリサーチしていると、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーを兼任している方の話をちらほら聞く。
かくいう自分も兼任しているタイプだ。 元々エンジニアとしてキャリアをスタートしているので、どちらのキャリアも経験できて食いっぱぐれにくくなるのでは!?とかしばらくポジティブに捉えていたが、ちらほら弊害を感じはじめてきたのでまとめてみる。
他の兼任されている方のご意見も聞きたい、是非コメント下さい。
異なる向き先の役割
弊害は業務過多になるなどあげればキリがないが一番の問題は一人のマネージャーが異なる向き先の役割を抱えてしまっていることだと思っている。
それぞれの役割は以下のように認識している。
プロジェクトマネージャーの役割
- 要件・仕様を満たすプロダクトを期日までにリリースする責任
- 品質
- コスト
- 納期
- 要件・仕様を満たすプロダクトを期日までにリリースする責任
プロダクトマネージャーの役割
- プロダクトの成功についての責任
- ビジョンの実現
- ユーザー価値の向上
- 事業収益の向上
- プロダクトの成功についての責任
この両方の役割を持ったことでプロダクトマネージャー側の役割に集中して取り組めなくなった。プロダクトの成功のために施策を組み、実装に落とし込む中でどうしても工数のかかる実装が発生したりする。そうなった時、ついつい別のアプローチだとユーザーのニーズに届いてない可能性があるが少ない工数でできるとか思いついてしまう。 特に忙しい場面、考える時間が無い時無意識に後者を採用してしまう。だいたいこういう時の施策は上手く行ってない。
ちゃんと仕事しろと言われたらそれまでだが、プロダクトマネージャーとプロジェクトマネージャーで業務分担できていれば、いい落とし所を見つけられるんじゃないかと思う。
- 「プロダクトの成功に貢献する施策を実行する上でこの機能が必要だ」
- 「このアプローチじゃだめか?工数が足りなそう」
- 「それだとユーザーのニーズにフィットしないと思う」
- 「じゃあこのアプローチならどうか、工数は今より削減しつつ、ニーズにもフィットするはず」
- 「これでいこう!」
このようなやり取りを通して落とし所が見つけられれば理想だと思う。 なので最近はプロダクトマネージャーはエンジニア出身じゃなくて全然いいと思ってしまう。自分の場合、日々意識して過ごさないと本能的にプロダクトファーストで考えてしまう。コードを書いた経験・設計したりプロジェクトを進行した経験は決して無駄にはならないし、プラスに働く場面も多いが、経験値が多ければ多いほど負の側面を発揮する可能性も大きくなると考えている。
最後に
徹底して自分を律し、プロダクトマネージャーとしての人格・プロジェクトマネージャーとしての人格を分離して取り組めるなら成立すると思うが、自分も含めて大多数の方はそこまで器用になれないと思う。 じゃあプロダクトマネージャー・プロジェクトマネージャーで分離しましょう!と掲げても、適任者がいない、採用する余裕もないといった次の問題も出てくる。難しい問題だけど脳死せず状況を改善できるアプローチを考えたい。(これについては別途記事いつか書ければと思います)